子どもの近視について
近年、子どもの近視は世界的に増加しており、大きな社会的課題となっています。
特に低年齢から近視を発症するお子さまが増えているといわれています。
近視は「遠くが見えにくくなる」だけでなく、将来的に、
- 緑内障
- 網膜はく離・黄斑疾患
- 病的近視
などの眼疾患リスクを高めることが知られています。
お子さまが将来にわたり健康な視力を維持していくためにも、近視の早期発見と進行予防が重要です。
近視とは
目はカメラのような構造をしており、角膜や水晶体で光を屈折させ、網膜にピントを合わせています。
正常な状態では、網膜にしっかりピントが合いますが、近視では網膜より手前でピントが合ってしまうため、遠くがぼやけて見える状態になります。
近視は、
- 遺伝的要因
- 環境要因
の両方が関係していると考えられています。
特に近年では、
- 屋外活動の減少
- スマートフォンやタブレットの長時間使用
- 近くを見る作業の増加
などが、近視進行に影響しているといわれています。
近視は低年齢ほど進行しやすくなります
近視は成長とともに進行し、一般的には17歳頃まで進むとされています。
特に、低年齢で近視を発症した場合は、将来的に強度近視へ進行するリスクが高くなるため、早い段階からの対策が重要です。
強度近視になると、病的近視による眼底出血や網膜障害など、重い視力障害につながる可能性もあります。
近視予防のための日常生活
近視予防には、生活習慣の見直しも大切です。
屋外活動
1日2時間程度の屋外活動が推奨されています。
屋外の自然光は、近視進行予防に有効であると考えられています。
ただし、強い直射日光は紫外線や熱中症のリスクがあるため、無理に炎天下で活動する必要はありません。
近くを見る作業の注意点
読書やタブレット学習などを行う際は、
- 30cm以上離して見る
- 明るい場所で行う
- 20〜30分ごとに休憩する
- 遠くを見る時間をつくる
ことが推奨されています。
また、小さな画面ほど目との距離が近くなりやすいため、可能であれば大きめの画面を使用することも大切です。
近視進行抑制治療について
近年では、近視進行を抑えるためのさまざまな治療法が研究・実用化されています。
当院では、お子さまの年齢や近視の進行状況、生活スタイルに応じて、適切な近視管理をご提案しております。
低濃度アトロピン点眼治療
低濃度アトロピン点眼は、現在世界的に広く行われている近視進行抑制治療です。
1日1回、就寝前に点眼することで、近視の進行を緩やかに抑えることが期待されています。
低濃度のため、副作用は比較的少ないとされており、継続しやすい治療方法です。
リジュセアミニ点眼薬について
当院では、近視進行抑制治療として「リジュセアミニ点眼薬0.025%」を用いた治療を行っております。
対象となる方
主に5歳以上の未成年のお子さまで、軽度〜中等度の近視の方が対象となります。
治療方法
1日1回、就寝前に点眼していただきます。
考えられる副作用
点眼後に、
- まぶしさ
- 一時的な見えにくさ
- かすみ
などを感じる場合があります。
ただし、低濃度アトロピンのため、日常生活に大きな影響を及ぼすことは少ないとされています。
費用について
近視進行抑制治療は保険適用外(自費診療)となります。
初回は1か月分処方し、その後は定期検査を行ったうえで継続処方いたします。
治療効果には個人差がありますので、あらかじめご了承ください。
オルソケラトロジー
オルソケラトロジーは、専用のハードコンタクトレンズを夜間に装用し、角膜の形を一時的に変化させることで、日中は裸眼で過ごせる治療法です。
近視進行抑制効果も期待されており、低年齢のお子さまにも行われています。
一方で、適切なレンズ管理や定期検査を怠ると、重い角膜感染症などを起こすリスクがあります。
安全に治療を行うためには、保護者の方による管理と、定期的な眼科受診がとても重要です。
近視管理用眼鏡・コンタクトレンズ
近年では、近視進行抑制を目的とした特殊な眼鏡や多焦点コンタクトレンズも開発されています。
お子さまの年齢や生活スタイル、近視の進行状況を踏まえながら、適切な治療方法をご提案いたします。
お子さまの近視が気になる方はご相談ください
子どもの近視は、早期から適切に管理することが大切です。
- 「学校検診で視力低下を指摘された」
- 「最近、遠くが見えにくそう」
- 「近視が進んでいる気がする」
など、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。